環境への取り組み
環境教育
九電みらい財団と協働で取り組む環境教育
当社では、九州電力社有林「くじゅう九電の森」をフィールドとして、九電みらい財団とともに次世代層を中心とした環境教育に取り組んでいます。
当社は、林業のプロフェッショナルとして、これまで積み上げてきた知識や経験を活かし、安全管理はもとより子どもたちへ森の役割や適正管理の重要性などを伝えています。
~テーマ~
自然の中で楽しみながら学ぶ
森の講話で地球温暖化の現状や森の役割を学習し、学んだことを実験や体験
(林業体験、森林観察、木工体験)を通して理解を深めていただいています。
フィールドワークを通じ、参加者の記憶に残る内容・体験となるように工夫しています。
九電みらい財団では、2016年5月の設立以来、九州の豊かな自然環境の保全活動や環境教育活動、次世代育成支援活動を通じて、九州地域に広く貢献することを目的とした事業を展開しています。
当社は同財団と協働し、林業体験や環境諸活動へのサポートを通じ、子どもたちの「自然を大切にする心」を育んでまいります。
その他の環境教育フィールドの活用
くじゅう九電の森は、九電みらい財団のほか、九州電力各支店・各営業所、森林インストラクター会、大分県豊かな体験活動等における環境活動や各種イベントでも活用いただいています。
環境保全活動
平治岳のミヤマキリシマ植生保護活動
ミヤマキリシマ植生保護活動
九州電力の社有林である平治岳では、大分県準絶滅危惧種に指定されているミヤマキリシマがノリウツギ等の支障木により被圧※1され、衰退しています。
当社では、このミヤマキリシマを守るため、九電みらい財団が主催する植生保護ボランティア活動の作業リーダーを務めるほか、ボランティアの方では危険が伴う斜面が急峻なエリアの伐採等にも従事しています。植生保護にあたっては、生態系に大きな影響を与えないようミヤマキリシマを被圧している支障木のみを伐採し、環境に配慮しています。※2
※1:樹木が生長するうえで生長が早い木に覆い被され圧迫されること
※2:環境省の理解を得て活動を行なっています
ミヤマキリシマ定点開花状況調査
上記の活動の成果を検証するための開花状況調査にも従事しています。調査は、毎年ミヤマキリシマが満開となる5~6月頃に実施し、定点における写真撮影に加え、当社の技術力を活かしドローンによる空撮も行なっています。
これまでの植生保護活動により、開花量は徐々に回復しています。
九州電力社有林内の希少植物保全活動
希少植物巡視活動
九州電力社有林内の湿地帯に生息する希少植物を保全するため、定期的な巡視活動を行なっています。
具体的には、当社独自の「生物多様性保全ガイドライン」※3に基づき、4~11月に年12回の巡視や、コドラート法※4による希少植物個体数の調査等を行なっています。 これまで、大分県レッドリスト掲載種を33種確認しています。このなかの13種は環境省レッドリストにも掲載されています。
※3:効果的な生態系の維持・回復対策の手法や手順、実施スケジュール等取りまとめているガイドライン
※4:正方形の区画をとり、区画内の植生や動植物の個体数を調査する手法
森林管理施業における希少植物保護活動
九州電力社有林の森林管理施業前には、チェックリストを用いて、施業が環境に悪影響を与えないか確認するとともに、希少植物が生育していないか等についても確認を行なっています。希少植物を発見した際は、生育環境等を記録し、林業部内で共有します。影響があると判断される場合は、移植するなど保全に努めています。